2,000万円問題っていうけどそもそも老後資金は準備が必要なの?
昨年金融庁が出したレポートが話題になり、ワイドショーを賑わせた2,000万円問題。
でもそもそも本当に老後資金は年金だけでは足りないのでしょうか?
年金の平均受給額は?
現在の厚生年金含めて受給額の平均は男性が16万5,000円、女性が10万1,000円となっています。
つまり、夫婦2人で合わせて26万6,000円が平均としてもらえるということです。
なんだかこれだけ見ると「働いてなくてこれだけもらえるなら全然やってけそうだなぁ」と思うのではないでしょうか?
特に若い方とかだと現在一生懸命働いて毎月もらう給与より多い、もしくは同程度に見えると思います。
「え?だったら全然年金だけで生活できるじゃん」
では、ゆとりある老後の生活費とはいくらくらいなのでしょうか?
ゆとりある老後の生活費
生命保険文化センターの発表によると夫婦2人のゆとりある老後の生活費は36万1,000円となっています。
つまり、年金だけでは毎月約10万円を貯蓄から取り崩し(赤字)していかないとゆとりある生活はできないということです。
単純計算で65歳で仕事を完全にリタイアしたとして男性の平均余命19.55年。
わかりやすく20年として計算すると10万×12ヶ月×20年=2,400万円が貯蓄として必要な計算になります。もちろん女性の方が平均的には長生きなので残された奥様の生活費等も準備しておく必要があります。
この計算では確かに老後2,000万円は必要になります。
「でも、生活費が高いだけじゃない?月26万ももらえたら普通に生活できるじゃん」と思いませんか?
なぜこんなに生活費が高いのか
理由としてはリタイアする以前、つまり仕事をしていた時は年齢も重ね、それなりの役職もしかしたら重役なんてポジションを任されているような方々はやはりそれなりのお給料をもらっています。
さっきの36万というのも手取り給与で考えれば額面で50万以上もらっていると毎月の給与でまかなえる生活費です。年収700~800万円くらいなイメージでしょうか。
そう考えるとそれほどリッチな生活をしているわけではないのです。
むしろ今まで通りの生活をしていると知らない間に貯蓄がなくなっていくということです。
よく相談に来られる方で「退職したら生活費減るから大丈夫」という方がいます。
しかし、以前の記事でも同じようのことを書いたと思いますが、生活費は増やすのは簡単ですが、減らすのはすごく大変です。
今までの外食や遊びや趣味などを我慢する必要があるからです。我慢はストレスがかかるので長続きしません。最悪の場合、ストレスの発散で別のことにお金を使ったり夫婦間のケンカが多くなったりといいことなんてありません。
生活費を上げない
老後の対策で投資、運用と最近ではよく耳にします。もちろん私自身も運用していますし、お客様にも運用を勧める時があります。
しかし、老後の準備として一番は生活費を上げないということです。これは特に若い方ほど効果があると思います。給与が上がっても今まで通りの生活を続けていけば自然と貯蓄できる金額が増えていきます。そうすればある程度の老後資金は勝手に貯まると思います。さらにそれを投資に回せば老後資金なんて心配無用の人生が待っているかもしれません。
生活費がすでに高いと思われる方は過去の記事に生活費の見直し方法を書いたものありますので参考にしてください。↓
老後資金は生活費の問題だけじゃない!?
ここまで生活費が問題なければ老後資金心配する必要がないようなことを書きましたが、老後30年40年先のことを考える上で絶対に考慮しなくてはいけないことがあります。
それはインフレリスクです。
インフレとはつまり物価上昇のことです。
インフレに対してしっかりとリスクマネジメントできているかどうかで今後の生活が大きく変わると言っても過言ではないと思います。
次回はこのインフレリスクに関してお話ししたいと思います。
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